空間線量から土壌の汚染度を逆算する換算式

ようやく文科省から福島県の土壌メッシュ調査の結果が発表されました。
このために全国の大学から人も機材も駆り出されて研究ができなかったのですが、、、
というか、原子核物理関連実験施設が軒並み被災してしまって実験ができないのでこの調査に協力した、というのが正確なところかもしれませんが ^^

で、この調査で土壌を採取する際に必ずその場所の空間線量を測定していたため、この成果で得られた結果として、地上1mでの空間線量(μSv/h)から土壌の表面汚染(Bq/m2)の簡易的な換算式が得られました。

  • 134Cs : 4.56×10-6 μSv/h / Bq/m2
  • 137Cs : 1.66×10-6 μSv/h / Bq/m2

本来は何ヶ所から土壌を採取してよく混合させて測らないとならないのですが、地上1mの空間線量の測り方ですとそれがうまく平均化される結果になり、シロウトさんでも確実な値が出しやすいそうです。

震災直後は134Cs:137Csの比は1:1くらいでしたが、今は134Csの半減期2年が効いてきていて、0.8:1くらいだそうです。
とりあえず1:1と仮定すると、空間線量のμSv/hの値から6.22×10-6を割ると、134Cs+137Cs総量の土壌表面のベクレル数が得られる計算になります。
土壌を採取する際は、降った雨がまだら状になっている場合など採取する場所によってかなり汚染度の違いが激しく違い、例えば文科省プロトコールでは、四角の中にバッテンを引いて5ヶ所から採取し、よく撹拌したものを測定すること、などとなっています。
シロウトさんがこういった操作を行うのも大変面倒なので、それよりは空間線量を正確に測って、バックグランドとの差を取り汚染度を調べたほうが確実な値が出るそうです。
以上、、東北大理学部物理教室田村研の方から教えていただいた話でした。