ポケットシンチ DoseRAE2 PRM-1200 レビュー

ポケットシンチレーター DoseRAE2 PRM-1200を入手して色々使ってみました。
実は前回の計測でもアロカTCS-171と一緒に使ってみて、色々クセなどを調べてみたのでした。
大雑把に評価すると、以下のようになります。

良い点:

  • シンチレーター方式としてはおそらく最安(実売4万5千円くらい)
  • 公的機関でも使われている(東京都がこれだそうです)
  • 電池の持ちがよく、軽い

悪い点:

  • 時定数の設定ができない
  • 計測にかなり癖がある
  • 電子ノイズに弱い

結晶の種類はCsIですが、いかんせんサイズが小さいので感度がイマイチなのは覚悟していましたが、堀場PA-1000 Radiと比べても、安定するまでちょっと時間がかかるかなぁ?、という印象です。
堀場PA-1000 Radiのほうは、小数点以下3桁まで表示するので、だんだん安定してきている様子が読めるのですが、この機種は小数点以下2桁までしか表示されないので、あとどのくらい待つ必要があるのか、ちょっとわかりにくいです。
また、時定数の設定がないのである程度待ったところで値を読むしかないのですが、どうも長時間電源を入れているとかなり長い期間の平均を取っているようで、急に線量が変化したような場合、追従がかなり遅れます。
例えば、クルマで移動しながら、急に線量が変化した場所に移って計測するような場合。
ただ、現在の線量の表示は遅れるものの、累積被曝量はきちんとカウントしていることろがなんとも謎(←それをどうやって確かめたかは、ちょっと書けない ^^)
このため、例えば学校の敷地の除染のために地面をなでながら高い線量のところを探す、という使い方には向いていないようです。

色々機能面を調べますと、元々これはサーベイメーターではなく、原子力関係の作業従事者に持たせるドシメーターとして開発されたんだろうなぁ、と思いました。
アラームとして、現在の線量の他、累積線量の二つで設定可能なのが、助かると言えば助かるのですが、、、

また、電子ノイズに弱いというのがなんともクセモノで、線量のアラームを低めに設定しておくと、思ってもいないものに反応していることがわかり、なんとも閉口します。
携帯電話はもちろん、クルマのリモコンキーにまで反応したのには、まいりました。

と、色々検討した結果、以下のような使い方ならかなり正確な値を出すことができることがわかりました。

  • 計測の際には必ず電源を入れ直す
  • 必ず5分程度待ってから値を読み取る
  • その間、線量計の近くには、ケータイ、デジカメ、GPSなどの電子機器は近づけない

いちおうこの測り方で、アロカTCS-171と比べて、10%程度の誤差でほぼ近い値は出るようです。
が。。。なんとも気難しい線量計です。
ちょっとこれを使って車載モニターリングに仕上げるには、ちょっと厳しいかなぁ?、と思いました。
雑誌やネットでは、他の線量計と比べてシンチレーターの割にだいぶ値がずれるという評価が多いようですが、単にスイッチ入れて値を読むという使い方では、それも当然かも?、と思います。
特に屋内の計測では、周りの何を拾っているかわからないので、かなり注意が必要です。
ちなみにわたしの自宅では、庭より部屋の中のほうが高いくらい ^^

しかし当然ですが、同じ値段出してポケットガイガーを買うなら、こちらのほうがはるかに信頼性の高い値を出せると思います。
ただ、この気難しさと、値段を比較すると、ちょっとオススメするにはビミョー。
公的な測定としてこの値を採用してもらう、という用途にも、かなりビミョー。
あと、例えば学校の除染のホットスポット探しのような用途には、β線の感受性の高いガイガーと併用したほうがよさそうに思います。