宮城県の放射線量調査

先週の土日と、三陸沿岸部の放射線量の測定に行ってきました。
とりあえず今回の調査分として、東北大学理学部田村研の金田さんがまとめてくださったマップがこちら→http://t.co/SbAQ6iT データがこちら→http://t.co/Csg4DY0 です。

元々、文部科学省が子供への健康に対する影響を調べるために全小中学校などを対象に行っている、各市町村による放射線量の公的なデータがあり、大都市などではこれを見れば大まかな放射線量の分布はわかるようになっています。
その代表的なまとめが、@nnistarさんの以下のマップです。
http://www.nnistar.com/gmap/fukushima.html

ただ、このマップを見ればわかるように、今回津波の被害のあった沿岸部の市町村では、文部科学省からの通達があっても全くそれどころではなく、まだ計測結果が公表されていない市町村もあります。
また、計測結果を公表している市町村でも、津波で潰れてしまった学校や、避難所となっていて学校として機能していないところは測定していない、そもそも人がいないような山の中は測定の対象外など、かなりあちこちで空白地域が目立つのがわかると思います。
今回の測定は、南三陸町から東北大に測定の依頼があったのが元で、そのせいで南三陸町付近のデータが豊富になっていますが、津波の被害の酷い被災地が、今は放射線のことなど全く頭が回らなく対応が手薄になっているのをサポートするのが第一の目的です。
その他に、scientistとしての興味として、この放射性物質は、どのように飛来し拡散して行ったのだろう?、という目的もあります。これは様々なモデルが提唱されており、その中には「そりゃいくらなんでもねーだろ?」と首をかしげてしまうものもありますが、その検証のためには実測データが不足しているのが実情です。
そして現在、肉牛の飼料用の稲藁の汚染など、思いもしなかった害が発覚しておりますので、現在手薄になっている地域の放射能汚染の現状を実際に実測で抑えて、放射能という敵をつかみ、今後の放射能対策の基礎的データとして利用するのが最終的な目的です。

このために、計測する個所として、以下のような条件で選びました。

  • 小中学校など既存の公的な個所と被らない
  • 公園などなるべく人の集まる公的な場所を選ぶ
  • 標高の低いところから高いところまで、なるべくまんべんなく選ぶ

もちろん、まだまだ計測数が不足していることは確かです。とんでもなく辺鄙だが重要な個所を押さえるために、なかなか数がこなせません。徐々に計測地点を増やしていき、放射能という敵のしっぽをつかみたいと思います。

このような背景から、今回の測定 http://t.co/SbAQ6iT と@nnistarさんのマップ http://www.nnistar.com/gmap/fukushima.html を合わせて見ていただければと思います。
なお、測定個所のGPSのデータなどは全て公開しておりますので(←ここが市町村による文科省の計測との違い!)、数mの誤差で計測個所は特定できます。
「このデータおかしいんじゃないか?」「それは納得いかない」という場合は、是非現地に行って測定し検証していただくことを期待したいです。